「仏説父母恩重経」33 感恩の歌

「仏説父母恩重経」を拝読された竹内浦次氏は、「感恩の歌」を詠まれました。心に響く詩です。是非、何度も何度も声を出して読み返してください。

「感恩の歌」 竹内浦次作

あはれ はらから 心せよ 山より 高き 父の恩                     海より ふかき 母の恩  知るこそ 道のはじめなれ                  児を守る母の まめやかに  我が懐中を 寝床とし                     かよわき腕を まくらとし  骨身を削づる あはれさよ
美しかりし 若妻も  幼兒 一人 そだつれば                      花のかんばせ いつしかに  衰え行くこそ かなしけれ                  身を切る如き 雪の夜も 骨さす 霜の あかつきも                    乾けるところに 子を廻し  濡れたる處に 己れ伏す
幼き ものの がんぜなく 懐中 汚し 背を濡らす                   不浄を 厭ふ 色もなく  洗ふも 日々に 幾度ぞや                    己れは 寒さに 凍えつつ  着たるを脱ぎて 子を包み
甘きは 吐きて 子に與へ  苦きは 自ら 食ふなり

                                         幼児乳を ふくむこと  百八十斛を 超すとかや                     まことに 父母の 恵こそ  天の極まり無きが ごとし
父母は 我が子の為ならば 悪業つくり 罪かさね                  よしや 悪趣に落つるとも 少しの悔いも なきぞかし
若し子 遠く 行くあらば 帰りて その面見るまでは
出でても入りて 子を憶ひ 寝ても覚めても 子を念ふ
髪くしけづり 顔 ぬぐひ  衣を求め 帯を 買ひ                    美はしきは 皆 子に与え 父母は 古きを 選むなり
己れ 生ある その内は 子の身に代わらんことを思ひ
己れ 死に行く その後は 子の身を守らんことを願ふ
よる 年波の 重りて いつか 頭の 霜白く                       衰へませる 父 母を 仰げば 落つる 涙かな
ああ ありがたき 父の恩 子は 如何にして 酬ゆべき                  ああ ありがたき 母の恩 子は 如何にして報ずべき

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